ブレーキを踏んだときに聞こえる「キーッ」という高い音。スポーツカーに乗っていると、どうしても気になってしまいますよね。とくに社外パッドに交換したあとや、低速で止まるときに鳴きやすくなって、「これって壊れてるの…?」と不安になる方も多いんです。
実はこのブレーキ鳴き、必ずしも故障とは限らず、素材の特性や温度、パッドとローターの組み合わせなど、さまざまな理由で発生します。スポーツカーはもともと高い制動力を求めて作られているため、どうしても“鳴きやすい条件”がそろってしまうんですね。
ただし、放置してはいけない危険な音があるのも事実。この記事では、スポーツカーでブレーキ鳴きが起きる本当の理由と、あなたの愛車を静かで快適にする対策をわかりやすく解説していきます。社外パッドとの相性問題や、プロが行うメンテ方法までしっかり紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
ブレーキ鳴きとは?仕組みとスポーツカーで起きやすい理由
ブレーキ鳴きは、ブレーキパッドがディスクローターに触れたときに生まれる“高周波の振動”が音として聞こえる現象です。ローターは金属の円盤なので、スピーカーのように振動を増幅しやすく、これが特徴的な「キーッ」という音につながります。
実は、ブレーキは摩擦で止める仕組み上、完全に無音にすることはできません。そのため、多少の鳴きは正常範囲で、車種やパッドの材質によって“鳴きやすさ”も大きく変わります。
スポーツカーで鳴きが出やすいのはなぜ?
スポーツカーは「しっかり止まる」ことを最優先にしているため、一般車よりも高性能なブレーキシステムが搭載されています。ここに鳴きやすい理由が隠れています。
- ① 金属成分の多い高性能パッドを採用している
スポーツパッドは高温でも強い制動力を発揮するため、メタル成分が多め。その分、低温の街乗りだと微振動が起きやすく、鳴きにつながります。 - ② ローターとパッドの“相性”がシビア
コンパウンドが合わない組み合わせだと、摩擦が不安定になり微振動が発生。社外パッドに交換したあと鳴きやすくなるのは、この相性が原因のことも多いです。 - ③ パッド自体が硬い(セラミック系など)
高品質パッドほど素材が硬い傾向があり、軽く踏んだときの摩擦がスムーズに立ち上がらず、キーッとした高音が出やすくなります。

つまり、スポーツカーは“鳴きやすい条件が整っている車”とも言えるんですね。もちろん異常の場合もありますが、まずは仕組みを知っておくことで、安心して原因を判断できるようになります。
発生シーン別|ブレーキ鳴きの原因と対策一覧
ブレーキ鳴きと一口に言っても、“いつ鳴くか”によって原因がまったく違います。ここでは症状をシーンごとに整理しながら、対処法をわかりやすくまとめました。あなたの車がどのパターンに当てはまるか、照らし合わせながら読んでみてくださいね。
走りはじめ・雨の日・洗車後に鳴く場合
このタイミングで鳴くのは、ほとんどが水分や低温が原因の一時的な鳴きです。パッドとローターの間に薄い水膜ができると、摩擦が安定せず高音が出やすくなります。
対策:数回ブレーキを踏んで、パッドを温める・水分を飛ばすだけで解消することが多いです。
交換直後に「キーッ」と鳴く場合
新品パッドは表面が完全に馴染んでいないため、当たり付け(ベディング)不足で鳴くことがあります。これは異常ではなく、誰でも起こり得る自然な現象です。
対策:しばらく走って当たりを出す/改善しない場合は面取りやシムの見直しを検討。
低速で軽く踏むと鳴く場合
微妙な踏力のときにだけ鳴くなら、パッドの材質特性による微振動がほとんど。スポーツパッドは特にこのタイプが多く、気温の低さでも音が出やすくなります。
対策:一度しっかり強めに踏むと改善することもあります。
パッド残量が少ない・警告音が出ている場合
これは絶対に見逃しちゃいけないパターンです。パッドの残量が減ると、ウェアインジケーターがローターに当たって「キーッ」と鳴きます。放置するとローターまで削れて高額修理に…。
対策:すぐにパッド交換が必要です。
グリス切れやシム劣化による鳴き
長く乗っていると、ブレーキパッド裏側に塗られているグリスが乾き、振動がダイレクトに伝わりやすくなります。また、シムが劣化していても鳴きの原因に。
対策:グリスの塗り直しやシム交換で改善できます。
ブレーキ鳴き対策として効果が高いのが、高温に強いパッドグリスを使う方法です。
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ローターの摩耗・サビ・段付きによる鳴き
ローターが 部分的に削れている状態だと、パッドが正しく当たらず音が出ます。赤サビが出ている場合も同じです。
対策:軽い症状なら研磨、深刻な摩耗ならローター交換が必要です。
キャリパー固着による鳴き
スライドピンの固着やピストンの動きが悪くなると、パッドの戻りが悪くなり、常に軽く当たった状態になってしまうことがあります。これは整備不良の領域。
対策:スライドピンの清掃・潤滑、ピストンシール交換など専門作業が必要です。
自分でできるブレーキ鳴き対策|日常メンテ手順
「できれば自分で簡単に対処したい…」という方のために、工具をほとんど使わずにできる安全な対策をまとめました。ブレーキ周りはデリケートなので、無理をしない範囲で行いましょうね。
① ブレーキ周りの汚れを落とす(もっとも手軽で効果的)
ブレーキ鳴きの原因は、摩耗粉や汚れがローター側にこびりついているだけ…というケースも少なくありません。とくに雨のあとや放置期間が長いと、錆と汚れで高音が出やすくなります。
洗浄だけで改善することも多いので、まずは汚れをリセットしてみましょう。
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スプレータイプなので扱いやすく、ホイールの隙間から軽く吹きかけるだけで汚れが落ちます。整備工場でも定番のクリーナーなので、「まずはこれから」という方にぴったりです。
② 少し走ってブレーキを温めてみる
ブレーキは温度によって摩擦特性が変わるため、低温時にだけ鳴くことがあります。特にスポーツパッドは冷えていると鳴きやすい特徴があります。
対策:短距離を走って、通常温度まで上げてから再チェック。
③ 軽く鳴く場合は「しっかり踏む」ことで改善することも
軽度の鳴きは、パッド表面がうまく馴染んでいないせいで起きていることがあります。そんなときは、一度だけ“しっかり強めに踏む”ことで、表面が整い音が消えることもあります。
④ それでも改善しない場合は早めに点検へ
清掃・走行・踏み込みで改善しない場合は、パッドの偏摩耗、ローター段付き、キャリパー固着などの可能性が高くなります。これ以上はDIYで触らず、整備工場でのチェックが安心です。

自分でできる対策はここまでですが、鳴きの原因が部品の摩耗や固着にある場合はプロの作業が必要になります。次の章では、整備工場で行う本格的な鳴き止め処置について解説しますね。
専門作業で行う鳴き止め処置(プロに任せるべきケース)
自分でできる対策を試しても改善しない場合、原因はパッドやローター、キャリパーの“物理的な状態”にある可能性が高くなります。ここから先は整備士さんの出番。専門工具が必要になる作業ばかりなので、無理せずプロに任せるのが安心です。
① パッドの面取り
ブレーキパッドの角を少し削り、ローターとの当たりを滑らかにする処置です。角が立っていると摩擦が急に立ち上がり、鳴きの原因になりやすいんですね。
② シム交換・高温グリスの再塗布
パッドとキャリパーの間に入っている薄い金属板(シム)は、振動を吸収する大事なパーツです。ここが劣化していると、どれだけいいパッドでも鳴きやすくなります。
対策:シムを新品に交換し、裏側に高温用グリスを塗布して振動を抑えます。
③ ローター研磨(または交換)
ローターが段付きになっていたり、摩耗が進んでいる場合は、パッドが均一に当たらず音が出やすくなります。軽度なら機械で表面を研磨し、重度なら交換になります。
研磨とパッド新品の組み合わせは、鳴き対策として非常に効果的です。
④ スライドピンの清掃・潤滑
キャリパーはスムーズにスライドしていないと、ブレーキを離したあともパッドがローターに触れ続けてしまいます。これが「シュルシュル」「キーッ」という不自然な音の原因になることも。
対策:スライドピンを分解して清掃し、専用グリスで再潤滑します。
⑤ キャリパーオーバーホール(固着の修理)
ピストンやシールが劣化して動きが悪くなると、パッドが戻らず常に軽く擦れてしまう状態に。ここまで来るとDIYでは絶対に触れない領域です。
プロの整備士がキャリパーを分解し、シール交換・清掃・グリスアップを行うことで本来の動きを取り戻します。

専門作業は費用こそかかりますが、「原因が一気に解消する」大きなメリットがあります。鳴きが何度も再発している場合は、一度しっかり点検してもらうことをおすすめしますよ。
危険なブレーキ音の見分け方|鳴きと異常音の違い
ブレーキから音が出ると「これ、大丈夫かな…」と不安になりますよね。ですが、すべての音が危険というわけではありません。ここでは、安全に走れる“普通の鳴き”と、絶対に見逃してはいけない“危険音”をわかりやすく整理しておきます。
正常な範囲の「キーッ」という高音
ブレーキを軽く踏んだときにだけ聞こえる「キーッ」という高音は、スポーツカーでは珍しくありません。パッド材質の特性や温度の低さによる微振動が原因で、故障とは限らない音です。
気温の低い朝・雨上がり・渋滞など、条件によって一時的に鳴くこともあります。
注意が必要な「ゴーッ」「シュルシュル」系の音
ブレーキを踏んでいないのに、走行中に「ゴーッ」「シュー…」と聞こえる場合は、パッドの戻りが悪い・ローターに常に触れているなどの可能性があります。
これは放置するとローター摩耗や発熱につながるので、点検推奨のサインです。
危険信号!「ガーガー」「ゴリゴリ」という削れ音
耳障りな金属の擦れ音が出ている場合は、かなり危険です。パッドが限界まで摩耗し、金属のバックプレートがローターを直接削っている可能性があります。
この症状が出たら、すぐに走行を控えて整備工場へ。
この状態で走り続けると、ローター交換(数万円〜)が避けられず、最悪の場合はブレーキがフェードして止まりにくくなる危険もあります。
キーという音が急に強くなった場合
普段の鳴きよりも突然音量が大きくなった場合は、インジケーターが接触し始めたサインかもしれません。これは「そろそろパッド交換してください」という警告音です。
軽症のうちに交換すれば、ローターは無傷で済むことが多いですよ。

安全に関わる部分だからこそ、音の違いを知っておくことはとても大切です。「なんとなく変だな…」と思ったら、無理に走り続けず、早めに点検することが自分と車を守る一番の近道です。
ブレーキ鳴きを予防する方法|長期的に静かなブレーキを保つコツ
ブレーキ鳴きは対処だけでなく、日ごろの使い方で予防することもできます。とくにスポーツカーはパッドの特性がデリケートなので、少し意識するだけで鳴きの発生を大きく減らせるんです。
① 質の良いブレーキパッドを選ぶ
パッドの品質は鳴きやすさに直結します。街乗り中心なら、低温でも効きやすい静音系のコンパウンドを選ぶのがおすすめ。スポーツパッドは性能と引き換えに鳴きやすい傾向があります。
② 定期的に車に乗って錆を防ぐ
しばらく車に乗らないと、ローター表面に錆が出てしまい、その錆がパッドとこすれて高音が出ることがあります。とくに雨が多い季節は要注意です。
数日に一度でいいので、短距離だけでも車を動かすと鳴き予防に効果的。
③ ブレーキをいきなり軽く踏まない
パッドが冷えている状態で、最初から“そっと軽く踏む”と鳴きが出やすくなります。朝イチや低温時は、最初の1〜2回だけ少し強めに踏むと、その後の鳴きが抑えられます。
④ 力任せの洗浄や潤滑剤スプレーはNG
「鳴くから油を吹けば静かになるはず…」と考えがちですが、ブレーキに一般的な潤滑剤(例:WD-40など)を使うのは非常に危険。制動力が落ちて事故につながるため絶対に避けましょう。
汚れを落としたいときは、前章で紹介したようにブレーキクリーナーを適切な箇所に使うのが安全です。
⑤ 車検や点検のタイミングでブレーキ周りをチェック
シムの劣化、スライドピンの固着、グリス切れなどは目視だけでは分かりにくいもの。車検や12か月点検で整備士さんに「ブレーキ周りも見てください」と一言添えるだけで安心感がぐっと高まります。

日常のちょっとした意識で、ブレーキ鳴きは大きく減らせます。静かで気持ちよく走りたい方は、ぜひ今日から取り入れてみてくださいね。
まとめ|ブレーキ鳴きは原因を知れば怖くない
ブレーキ鳴きは、スポーツカーではどうしても出やすい現象です。とくに社外パッドや高性能パッドを使っている場合、材質の特性によって高音が出やすくなります。でも、仕組みと原因を理解しておけば、必要以上に不安になることはありません。
- 「キーッ」という高音は、摩擦による微振動がほとんど
- 雨・低温・走りはじめの鳴きは一時的なもの
- 汚れの蓄積やグリス切れも鳴きの大きな原因
- 「ガーガー」「ゴリゴリ」は危険信号。すぐに点検を
- 予防には良いパッド選び・定期的な走行・正しいメンテが大切
もし鳴きが気になる場合でも、クリーニングや軽い踏力の調整など、自分でできる対策はたくさんあります。それでも改善しないときは、パッドの当たりやシム、ローターの状態など専門的な要因が考えられるので、整備工場へ相談するのが安心です。
スポーツカーに乗る以上、ブレーキは“走りの気持ちよさ”を左右する大事なパーツ。正しくケアすれば長く快適に付き合えます。あなたの愛車が、これからも静かで気持ちよく走れますように…!
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よくある質問
- Qブレーキ鳴きは放置しても大丈夫ですか?
- A
軽い「キーッ」という高音だけで、踏み心地や制動力に変化がない場合は、材質や温度による一時的な鳴きの可能性があります。ただし、音が大きくなってきた・低い削れ音がする・走行中にも鳴くといった症状がある場合は、パッド摩耗やローター不具合のサインなので放置は危険です。早めに点検を受けてください。
- Q社外パッドに交換したら急に鳴き始めました。これは不良品ですか?
- A
不良品とは限りません。パッドはローターとの相性・温度域・材質の特性に大きく影響されます。スポーツパッドは低温で鳴きやすいものも多く、街乗りで音が出るのは珍しくありません。気になる場合は、シム交換や高温グリスの追加で改善するケースもあります。
- Q鳴き止めスプレーは使っても安全ですか?
- A
市販の鳴き止めスプレーは、使用場所を誤ると制動力低下につながるため注意が必要です。ローター側につくと危険なので、基本的にはプロの整備士が使うケースがほとんどです。自分で対策する場合は、まずブレーキクリーナーで汚れを落とすことが安全で確実です。


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